ファミリー向けのテントを探している方や、これから家族でキャンプを始めようとしている方向けの記事です。
- 「テントを買うときは、何に気をつけたらいいの?」
- 「結局、どのテントがおすすめなの?」
そんな質問をよくいただきます。
テントは高額な道具ですので、失敗して後悔したくありませんよね。
でも初心者の方だと、どんなテントを買えばいいのかイメージしにくいですよね。
そこで今回は、テントの選び方と、ファミリーにおすすめのテントについて解説していきたいと思います。
ぜひじっくりとご覧ください。
1.ファミリー用テントの選び方
初心者の方がファミリー用のテントを選ぶとき、チェックするべき視点は次の5つです。
①テントの種類
②ブランド
③サイズ
④前室
⑤テント生地の素材、耐水圧
以下、①~⑤の視点について解説していきます。
視点①:テントの種類
ファミリーキャンプでよく選ばれるテントの種類は、「主な3種類とその他」くらいにとらえておけば最初は大丈夫です。
主な3種類とは、①ドーム型、②2ルーム・トンネル型、③ワンポール型です。
具体的に解説していきます。
ドーム型
テントの最も一般的な形です。
2本以上のフレームを交差させて作る自立式のインナーテントの上に、フライシートをかぶせて使います。
インナーテントだけでも使用可能です。
組み立てが簡単で、あっという間に設営や撤収が可能です。
テント内も広々としていて快適です。
ドーム型テントでキャンプをするときは、日差しや雨をさえぎり生活スペースを作るためのタープやシェルターを別途用意するのが基本です。
ドーム型テント+タープの組み合わせは、「荷物が小さくまとまる」「開放感がある」「撤収時に乾燥させやすい」といったメリットがあります。
ドーム型テント+シェルターの組み合わせは、「雨風に強い」「虫をガードできる」「寒さに強い」といったメリットがあります。
2ルーム・トンネル型
ドーム型テントの発展型で、寝室スペース(テント)と生活スペース(シェルター)が一体型になった大型テントです。
フライシートが自立式になっていて、フライシートの中に吊り下げる形で寝室となるインナーテントを設置します。
吊り下げ式のインナーテントは、雨天時に、インナーテントを濡らさずに設営や撤収ができるというメリットがあります。
また、インナーテントを設置しなければ、大型のシェルターとしても使用可能です。
ドーム型テント+タープの組み合わせに比べて「雨風に強い」「虫をガードできる」「寒さに強い」といったメリットがあります。
また、ドーム型テント+シェルターの組み合わせのようにテントとシェルターをドッキングする手間がありません。
安定感が高いので、個人的に、2ルームテントは小さな子供がいるファミリーにかなりおすすめです。
ワンポール型
テント内に1本のポールを立てるテントです。
組み立てがものすごく簡単です。
その上、非常に風に強い構造です。
そして形が特徴的でおしゃれに見えますよね。
その他、特殊型
①ドーム型、②2ルーム・カマボコ型、③ワンポール型、この主な3種類以外にも、様々な形のテントがあります。
そんなテントを見るときも、主な3種類と比較しながら見るといいですよ。
例えば、上の画像はオガワのロッジ型テントです。
このテントを主な3種類のテントと比較しながら見ると、
・「ドーム型テントよりも高さがあるから、テント内で過ごしやすそうだな。」
・「2ルームテントのように吊り下げ式のインナーテントだな。」
・「ワンポール型テントのように真ん中にポールがないから居住スペースを有効に使えるな。」
といった見方ができますね。
視点②:ブランド
キャンプ用のテントを販売しているメーカー(ブランド)も、テントの種類と同じようにたくさんあります。
安くてコスパ重視のブランドもあれば、高級で高品質な商品ラインナップの多いブランドもあります。
下の表は、コールマンを基準として、初心者の方がよく目にするであろうテントブランドの価格帯を私の感覚でまとめたものです。
ただ同じブランド内でも、安くてコスパ重視のモデルもあれば、高品質で高価格なモデルもありますので、絶対ではありません。
テントを色々と選んでいくときは、この表を参考に選んでいくと比較検討しやすいと思います。
テント選びに関しては、初心者だからこそ安すぎるテントはおすすめしません。かといって、いきなり高価格なテントを買うのもおすすめしません。
安いテントは、扱いにくかったり、メンテナンスがしにくかったり、雨・風・日差し等の過酷な自然条件に対応しにくかったりします。
(キャンプ経験を積んでくれば、自分の知識や持っている他の道具でそれを補うことができますが)
高価格なテントは、まだテントの扱いに慣れていない時期に買うと、破損してしまうリスクが高いです。
例えば、車の免許をとりたてのとき、最初の1台としてレクサスやベンツを買うというのは怖いですよね。
まだ運転に慣れていない時期だから、事故のリスクが高いですから。
それと同じです。
また、この先ずっとキャンプを続けるかどうかも、やってみないとわかりませんよね。
「値段も性能もそこそこ」くらいのテントから始めて、慣れてきたら
- リーズナブルなテントを数種類所有して、状況に合わせてテントを変えて楽しむ。
- 高級なテントを所有して快適にキャンプを楽しむ。
といった楽しみ方をするのがおすすめです。
テント選びで迷ったときは、とりあえずコールマンか、スノーピークのエントリーモデルから選ぶのがおすすめですね。
両ブランドは質がよいだけでなく、かなり初心者を意識して作られていますし、金額的にも手を出しやすいです。
ただ、他にも持ってる人が多いので、キャンプ場でかぶりやすいですけどね(笑)
視点③:サイズ
テントのサイズは、例えば下の図のように示されています。
(キャプテンスタッグのワンポールテント「オクタゴン460UV」です)
テントを買う前にしっかりイメージしておきたいのは使用人数です。
ファミリーキャンプのように大人数で寝るテントを選ぶときには、大切なポイントが2つあります。
1つ目は、テントの中は寝るスペースだけでなく、荷物を置くスペースや、夜トイレに行くときなどに寝ている人を踏まないように歩くためのスペースなども必要だということです。
2つ目は、カタログ上の使用人数が「ぎゅうぎゅうに詰めて寝れる限界の人数」(=あまり現実的ではない人数)で計算されている場合と、「余裕をもって使える人数」(=現実的な人数)で計算されている場合があるということを知っておくです。
テントを買う前に、実際に展示品で確認したり、レビュー記事を確認したりすることを忘れないようにしてください。
私は自宅の一室に、購入を検討しているテントと同じスペースをロープを使って作ってみます。
実物が見れない場合は、この方法はかなりおすすめですよ。
視点④:前室
前室とは、フライシートの内側(インナーテントの外側)にできる土間のような空間のことです。
靴置き場や、クーラーボックスなどのちょっとした荷物置き場になります。
テントを選ぶときには、前室の有無や、広さを確認しておきましょう。
なぜなら、前室は便利なスペースだからです。
例えば、「ドーム型テント+タープ」の組み合わせでキャンプをする場合を考えます。
夜眠っている間、キャンプ道具をタープ下に放置しておくと、盗難に遭ったり、獣にあさられたりといった心配があります。
また、テントの外に靴を出しっぱなしにしていると、雨や朝露で靴がびしょ濡れに・・・ということがよく起こります。
そんな時、テントに前室があれば、靴や高価なキャンプ道具など、濡らしたくないものや人目につかないようにしておきたいものを入れておくことができます。
ちなみに、私は前室が広いテントが好きです。
視点⑤:テント生地の素材、耐水圧
テント生地の素材は、最初はポリエステル、コットン、ポリコットンだけ知っておけば十分です。
それぞれの特徴をざっくり下の表にまとめました。
ポリエステル素材のテントを使用する場合は、特に火の粉と寒い時期の結露に注意が必要です。
特に火の粉は、テントに当たると一瞬で穴があきます。
コットンやポリコットン素材のテントを使用する場合は、特にテントをしまう前の乾燥に注意が必要です。
次に耐水圧です。
耐水圧とは、簡単に言うとテント生地の防水性能のことです。
数値が低いほど、水がテントの中に染み込んできやすいと言えます。
逆に数値が高いほど、防水性が高いと言えます。
テントの耐水圧は一般的に「最低1,500mm以上」「2,000mm以上あれば安心」と言われています。
先の表で紹介したような有名ブランドのテントはほとんどが大丈夫です。
ただし、テントの防水性能は、単純に耐水圧だけで判断することはできない面もあります。
このあたりの話は長くなりそうなので、また別の機会に。
2.ファミリーにおすすめのテント8選
今回、おすすめのテントを選んだ基準はこちら。
- 夫婦2人と子供2人の合計4人が眠れるサイズ。
- テント本体に加えて、グランドシート・インナーマットを合わせて買っても10万円以内におさまる。
- キャンプ初心者でも組み立てやすく、かつ性能的にも十分である。
- 「もし私が今からファミリーキャンプを始めるなら購入を検討するテント」という視点で紹介する。
そしてファミリーキャンプにおすすめのテント(2020年版)は以下の通りです。
①ドーム型
・コールマン タフワイドドームⅣ/300
・スノーピーク アメニティドームM
・スノーピーク エントリーパックTT
・ホールアース アースドーム270Ⅳ
②2ルーム型
・コールマン タフスクリーン2ルームハウス
・スノーピーク エントリー2ルーム エルフィールド
③ワンポール型
・キャプテンスタッグ オクタゴン460UV
・ユニフレーム REVOルーム4プラスⅡ TAN
では、具体的に紹介します。
①王道のドーム型
コールマン タフワイドドームⅣ/300 4~6人用
広い居住空間
特に天井が高いのがタフワイドドームシリーズの特徴。テント高185cmで、大人でも立ったまま着替えができます。
設営のしやすさ
1人でも設営しやすいアシストグリップのおかげで、例えば「ママが子供を見ているときに、パパが1人でテント設営」という状況でも組み立てやすいですね。
ずば抜けたコスパの高さ
耐水圧2,000mm。「サークルベンチレーション」でテント内の熱気を逃がす仕組み。この品質でこの値段。そりゃ選ばれます(笑)
そしておそろしいことに、グランドシートとインナーマットがセットになったスタートパッケージになっても、テント本体と価格がほとんど変わりません。
スノーピーク アメニティドームM 4~5人用
アメドの特徴は前室にあり
前室が広い。
また、前室2方向と後室の3か所が出入り口になるので、天候や状況に合わせて工夫できます。
風に強い構造
風がテントの上を通っていく設計。テントの大敵である風によるダメージをおさえるコンセプトで、耐久性を追求しています。
私も所有していますが、ものすごく使いやすくて今も現役で使っています。
スノーピーク エントリーパックTT 4人用
テントとタープがセット
もともとセットなので、テントとタープのサイズ感やデザインもバッチリ合っています。
もちろん「テントのみ」「タープのみ」の使用もできます。
前室がめちゃ広い
アメドよりさらに前室が広いです。
吊り下げ式インナーテント
インナーテントが吊り下げ式なので、雨天時の設営撤収に強く、シェルターとしても使用可能です。
(だから正確に言うと、ドーム型ではありません)
ホールアース アースドーム270Ⅳ 4~5人用
フライシートが難燃加工&耐水圧3,000mm
テント生地の素材はポリエステルですが、難然加工がしてあるのが安心材料になりますね。(ただし「燃えない」ということではないので注意)
耐水圧3,000mmはかなりのハイスペックです。
前室が広い
前室が広く、かつ2方向が開きます。天候や状況に合わせて工夫できますね。
他の人とかぶりにくい
おしゃれでハイスペックなホールアースのテント。コールマンやスノーピークほど使っている人はいないので、「他の人とかぶりたくない!」という人にはおすすめです。
②ファミリーにかなりおすすめ!2ルーム・トンネル型
コールマン タフスクリーン2ルームハウス 5人用
広い生活スペース&開放感
タフスクリーン2ルームハウスが、2ルームテントの中で特徴的なのは、前室の横のスクリーンです。
一般的な2ルームテントの前室の横スクリーンは、巻き上げたりキャノピー(屋根)にしたりすることができません。
でもタフスクリーン2ルームハウスは、横スクリーンも巻き上げたりキャノピーにしたりすることができるのです。
これによって開放感が上がり、雨でもリビングスペースを広く使うことができるのです。
設営のしやすさ
1人でも設営しやすいアシストグリップのおかげで、例えば「ママが子供を見ているときに、パパが1人でテント設営」という状況でも組み立てやすいですね。
ずば抜けたコスパの高さ
耐水圧2,000mm、「サークルベンチレーション」でテント内の熱気を逃がす仕組みなど、細かい所まできちんと作ってあってキャンプで困ることはありません。
通販サイトで4万円程度で手に入るので、テント+タープを買うと考えるとかなり魅力的です。
私も所有しています。
家族全員虫が苦手なので、家族でキャンプするときはこれしか使いません(笑)
タフスクリーン2ルームハウスについては、下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
>>参考:コールマン「タフスクリーン2ルームハウス」の魅力を3年間使った私が徹底解説
スノーピーク エントリー2ルーム エルフィールド 4人用
風に強い設計
スノーピークのテントはすべて風に強いデザインになっています。
ルーフシートが標準装備
ルーフシート(屋根の上に取り付けるシート)は、生地の劣化を軽減する、日差しをさえぎる、雨音を抑えるといった高価があります。
ただ、マット・シートセットといっしょに買うと10万円を超えてしまいます。
最初のテントとして買うのはちょっと勇気がいりますね。
ただスノーピークのテントは中古でもわりと低下に近い値段で売買されていますので、「自分に合わなければ売却する」という手もあります。
そのことも踏まえて特別に選びました。
③個性的なワンポール型
キャプテンスタッグ オクタゴン460UV 6~8人用
アイボリーカラーでおしゃれ
芝に映えるカラーですよね。
大きめサイズでゆったり使える
ワンポールテントは、ど真ん中にポールがあったり、出入り口付近が就寝スペースとして使えなかったりするので、大きめのサイズを用意するのがポイントです。
ユニフレーム REVOルーム4プラスⅡ TAN 4人用
友人が張っているのを生で見て、その機能性の高さに衝撃を受けました。
ド定番ではありませんが、おすすめします。
独特の形状でタープと接続したときに生活スペースが広い
四角錐の一部をへこませたような形状なので、タープと接続させたときに一般的なワンポールテントよりも生活スペースを広く確保できます。
それだけでなく、眠るときにポールが邪魔にならず、さらに前室も確保できます。
専用フロアマットとグランドシートが標準装備
専用フロアマットとグランドシートが最初からついているので、価格的にはけっこうリーズナブルです。
関連商品が充実していいてカスタマイズがおもしろい
ユニフレームは、かゆいところに手が届くような関連商品が充実しているブランドです。
REVOタープ、REVOフラップ、REVOラック、REVOメッシュウォールといった関連商品と組み合わせることで、快適なサイトを作っていくことができます。
デザインが独特でキャンプ場でも目立つ
原理的にはワンポールテントですが、「特殊型」ともいえるデザイン。
キャンプ場で見かけたら、思わずのぞきこんでしまいそうです(笑)
3.まとめ
今回、紹介したテントなら、どれを買っても間違いないと思います。
「いや、自分は定番じゃなくて人と違うテントがほしいんだ」という方も、今回紹介したテントと比べながら他のテントを見ていくと、そのテントの特徴がよく見えてきますよ。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました!